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“房州の知恵”なぜ、
鮮度抜群の地金目鯛をあえて「漬け」にするのか?
「炙り×漬け」が生む、奇跡の食感「ねっとり」の正体

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昨日は「成人の日」。
新成人の皆様、おめでとうございます。
ハレの日には、やはり寿司。
当店が1月のフェアでお届けするのは、普通の握り寿司ではありません。
千葉・房州の漁師料理の知恵を詰め込んだ「房州名物料理 漬け地金目鯛三連にぎり寿司」です。

通常、鮮度が命の「釣り物」の地金目鯛なら、そのまま握るのが定石だと思われるかもしれません。
しかし、私たちはあえて、手間のかかる「炙り」と「漬け」という二つの工程を加えました。
なぜ、そんなことをするのか?
そこには、魚の旨味を「点」から「面」へと広げる、職人の計算があります。

秘密その① 「炙り」と「冷却」の温度差が生む“ 脂の層 ”

まず、骨を丁寧に抜いた地金目鯛の皮目を、直火で香ばしく炙ります。
前回のしゃぶしゃぶでも触れましたが、地金目鯛の脂は皮と身の間に凝縮されています。
炙ることで、この脂がジュワッと溶け出し、表面に旨味の膜を作ります。
ここで重要なのが、炙った直後の「冷却」です。
一度溶け出した脂を冷やすことで再び閉じ込め、身をキュッと引き締める。
この温度差の工程を経ることで、単なる生魚にはない、凝縮された旨味の層が生まれるのです。

秘密その② なぜ「漬け」なのか? 答えは「ねっとり感」

炙って切りつけた切り身を、特製の「漬けダレ」にくぐらせます。
これは、長時間漬け込んで保存性を高める昔ながらの「漬け」とは異なり、表面にタレの旨味を纏わせる、いわば「化粧」のような工程です。

新鮮な地金目鯛は「プリプリ」とした弾力が魅力ですが、タレを纏わせることで、舌に吸い付くような「ねっとり」とした官能的な食感が加わります。
この「ねっとり感」こそが、シャリとの一体感を生む接着剤の役割を果たします。
醤油をつけずにそのまま口に放り込んでください。
香ばしい炙りの香り、タレの甘辛さ、そして地金目鯛本来の脂の甘みが、口の中で同時にほどけ、渾然一体となる瞬間。
これが「房州スタイル」の真骨頂です。

秘密その③ すべてを受け止める「シャリ」への矜持

ネタが強ければ、シャリもまた、それに負けない存在感が必要です。
使用するのは、厳選された国産米。
浸水時間を計り、芯までふっくらと炊き上げたご飯を、特製のすし酢と合わせます。
ここで職人が徹底しているのが、「こねずに、切る」こと。
粘りを出さず、米粒一粒一粒が独立して立つように混ぜ合わせることで、口に入れた瞬間にホロリとほどける絶妙な握り具合を実現しています。
濃厚な「漬け地金目鯛」を、ふんわりとしたシャリが優しく受け止める。
このバランスこそが、三貫食べても「もっと食べたい」と思わせる理由です。

オレ流!三連にぎりの嗜み(たしなみ)方

三貫を一気に食べるのではなく、一貫ごとに表情を変える地金目鯛をじっくりと攻略するのがオレ流!
一貫目は、そのまま。 まずは何も足さず、職人の「炙り」と「タレ」の仕事が織りなす素材の調和をダイレクトに感じる。
二貫目は、わさびを意識して味わう。 お好みでわさびを少し乗せると、ツンとくる刺激が地金目鯛特有の脂の甘みをより一層鮮明に引き立てる。
三貫目は、口の中でゆっくりと「ねっとり」を堪能。 最後は、噛むほどに溢れる濃厚な旨味と、口の中でホロリとほどけるシャリとの一体感を。喉を通るその瞬間まで続く、官能的な余韻に浸る。

房州名物料理 漬け地金目鯛三連にぎり寿司
価格:799円(税込878円)

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