寿司は、素材の「いま」を最も端的に表現する芸術です。

この「天然寒ぶりにぎり３貫盛り」は、単に三つの握りを並べたものではありません。

豊洲市場直送の極上天然寒ぶりという最高の素材を「生」と「炙り」という異なる調理法で対峙させ、一皿で二つの頂点を味わっていただくための、職人の遊び心と技術の結晶です 。

この握りは「生・炙り・生」の三連盛りで構成されています。

なぜこの配列なのか。

それは、天然寒ぶり特有の、濃厚でありながら澄んだ脂の個性を最大限に引き出すためです。

生の握り：

　口に含んだ瞬間に、天然寒ぶりならではの締まった身の食感と、清々しい甘みを持つ脂が溶け出し、国産米のシャリ の酸味と心地よく溶け合います。

　ブリ本来の力強い旨味をストレートに伝える、純粋な感動です。

炙りの握り：

　寒ぶりに軽やかに熱を加えることで、表面の脂が一瞬で活性化され、香ばしい風味が立ち上がります。

　火が入ることで、天然の脂の甘みが凝縮され、生とは全く異なる、とろけるような濃厚さが際立ちます。



　まるで別種の魚を食べているかのような、劇的な変化です。

この二つの味と食感を交互に楽しむことで、天然寒ぶりの持つポテンシャルの幅広さが、明確に伝わります。

握りの主役はネタだけではありません。

当店では、最高の天然寒ぶりを支えるために、シャリに一切の妥協を許しません。

使用するのは、厳選した国産米です。

米の浸水時間は規定時間を厳守。

炊き上げたご飯に対し、すし酢を細かく調整します。

さらに重要なのは、合わせ方。

炊き上げたらすぐに広めの容器に移し「すし酢と合わせる」際に「こねないでご飯べラで切る」 という職人の繊細な技術を徹底しています。

これにより、米粒一つ一つが立ち、口の中でほろりとほどける理想的なシャリが生まれます。

この静かなる情熱こそが、天然寒ぶりの美味しさを完成させます。

天然の恵み、職人の技術、そして生と炙りの食感の「対話」が、この三貫に凝縮されています。

ワサビ や藻塩 を添え、紅葉 や笹の葉 と共に供されるこの握りは、まさに冬の海がくれた最高の贅沢です。

当店でしか味わえない、この特別な体験をぜひご堪能ください。