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【コラム】牡蠣は生きている化石!?

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「海の完全食品」と呼ばれるゆえん

2枚貝の分類上ではたくさんの種類が存在する牡蠣ですが、日本で一般的に食用として流通しているのは「真牡蠣(マガキ)」と呼ばれるものです。秋ごろから美味しくなり、最も美味しくなるのが1月~3月。ちょうどいま、冬の寒い時期が美味しい貝なんですね。
牡蠣は大変栄養バランスが優れており、「海のミルク」「海の完全食品」と呼ばれるほど。代表的な栄養素では、必須アミノ酸をすべて含むたんぱく質やカルシウム、亜鉛などのミネラル類があります。グリコーゲンや鉄、タウリンも豊富で、滋養強壮にも優れています。高たんぱく低カロリーでヘルシー志向の方にもぴったり。シーズン中は何度でも食べたい自然の健康食品です!

実は生きている化石!?

固くてゴツゴツとした殻に覆われた牡蠣、その起源は約2億95千万年前のペルム紀にまで遡り、三畳紀に生息範囲を広げ全世界に分布したとされ、世界各地で大規模なカキ礁の化石が出土しています。
2億ウン千万年・・・とまったく想像すらつかない、気の遠くなるほど太古の昔から存在していた牡蠣。まるで生きている化石のような存在なんですね!日本で食用されはじめたのは縄文時代。ハマグリにつぐ量の貝殻が、貝塚から発見されています。

牡蠣は養殖のほうが美味しい

牡蠣の養殖風景として、海の沖合に浮かぶ筏の下に、ひも状に繋がった牡蠣の映像や画像をどこかで見たことがある人も多いのではないでしょうか。それが今、牡蠣の養殖方法として最も取り入れられている「垂下式」と呼ばれるものです。牡蠣は初夏に産卵期を迎え、幼生は2週間ほど海中を漂いながら広い海を旅します。その浮遊生活のあと、岩や岸壁などに付着して成長します。その性質を利用したのが垂下式の養殖で、牡蠣の幼生が付着するようにホタテや牡蠣の貝殻を海の中に入れ、苗床を作り、そこから成長させるという流れになります。
自然と岩や岸辺に付着した、いわゆる“野生の牡蠣”は栄養が足りないため、養殖のほうが身も大きく味も良くなります。ただ養殖とはいえ、海水の温度、台風など自然の影響を受けやすいのも事実。牡蠣の美味しさは、養殖業者の努力と自然の恩恵で得られるものなんですね。

広島が日本一!*

日本の牡蠣の産地はいくつかありますが、一番の出荷量を誇るのが広島県*です。風光明媚、穏やかな瀬戸内海と広島湾でじっくり育てられ、栄養をたくわえた大粒の牡蠣はぷりぷりとしてミルキー。食べごたえ満点です!
2月のさくら水産祭り「かきづくし」では、選りすぐりの広島県産大粒牡蠣を使ったメニューが登場!!牡蠣がいちばん美味しいこの時期に、「かきづくし」パーティーはいかがですか?

*全国の漁獲量16.41万tのうち、広島県が10.68万tで2位の宮城県1.87万tを大きく引き離す圧倒的な1位。
「平成27年漁業・養殖業生産統計(概数値)」 農林水産省より

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